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Water Tank水槽再塗装の必要性について

飲料水槽に限らず、各種水槽の防水を目的とする塗膜の材料は一般的にエポキシ樹脂やポリエステル樹脂(FRP)ですが、FRP樹脂は取り扱いや施工上に問題があるため、最近ではRC製の水槽では使われなくなりました。

エポキシ樹脂は二成分型で主剤(エポキシ樹脂)と硬化剤(脂肪族ポリアミン)で構成されています。エポキシ樹脂は、その分子の両端にエポキシ基を持ち、通常は安定ですが、適当な触媒(硬化剤)を添加しますと、エポキシ樹脂の分子同士が重合反応によって結合(架橋反応)、硬化します。 

架橋構造は網目構造ですから、エポキシ樹脂硬化物は空隙(ポア)を有しています。 そのため、その内部に水分を含んだり、また水蒸気を通過します。 塗膜の防水性は、水分を出来るだけ含まず、また水蒸気の通過性(水蒸気透過率)が低いほど高いということが出来ます。 防水性の向上のために、遮蔽効果(防水効果)を有する充填剤を添加して塗料化するのですが、エポキシ樹脂の場合水蒸気の通過性や水分の含有を完全に無くすことは出来ません。

したがって、長期的に観れば水分は塗膜を通じて、被着体表面に移行します。 この移行した水分は、塗膜と被着体の密着性を低下させ、また施工時の密着性が万全でない場合に界面に介在するようになります。この界面に介在する水分が温度勾配によって膨張・収縮を繰り返すことによって、フクレが発生し、さらに成長して塗装膜が剥がれます。

再塗装の時期について

塗膜の機能は材料と施工の相互効果ですから、いずれかが不適であれば機能が不全であることは言うまでもありません。しかしながら、前述しましたようなエポキシ樹脂塗膜の性質上、たとえ施工が完全であっても、経年的な劣化は必然的な事象です。

不適正な施工による塗膜は短期間でふくれが発生して早急な補修が必要になりますが、経年的な劣化の程度を定量的に判断することが困難です。一般的な樹脂塗膜防水の保証期間(屋根防水の場合で5~7年、水槽の場合3~5年)から考えて、10年経過の塗膜の劣化は相当進行していると予想されます。

弊社の経験では、10年以上経過した塗膜にはふくれが散見されるようになりますので、塗り替えの時期は7~10年程度が妥当だと思います。

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